なんとなく…年下の男の奴隷状態だった時期

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    れい
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    京都市下京区の食品スーパーに勤める私は、その日の仕事を終えて店を出た。夕方の6時半を過ぎていたが、夏の夕方の空はまだまだ明るかった。歩きタバコをプカプカ吸いながら、最寄りの京阪○○駅までいつものように徒歩。途中にあるコンビニで缶ビールを買って外に出たとき、後ろから誰かに肩を叩かれて、私はビクッとしてふり返った。
    「仕事、終わったん?」
     見慣れた若者がそこに立っていて、私を見下ろして笑いながらそう言った。私の身長は165センチで小柄だが、彼は180センチ…は、ないと思うけど、170センチ台後半はあった思う。私は彼だと分かってまたドキッとして、
    「うん…今帰るとこ」
     と答えた。
    「Kちゃんは?」
     と、今度は私が訊ねると、
    「パチンコ負けてん。あかんわ…今からもう一回行こう思てたとこやってん」
     と言って笑った。笑ってはいるけど険のある表情だったので、かなり負けているのだろうと、私は想像した。
    「けっこう負けたんちゃうん? まだ打つの?」
     と訊くと、
    「もうちょっとな」
     と言って歩きはじめた。口で言わないけど「着いて来いよ」っていうような様子だったので、私は彼について歩いて、そのままパチンコ屋に入った。
     私自身はパチンコをやらないしやったこともないので、彼の座った台の隣の椅子に座って見ていた。さっき買った缶ビールを開けて飲もうとしたけど、
    「ここ、ホールで酒飲んだらあかんかったと思うでーっ!」
    と、轟音のなか彼に、耳元で叫ぶように注意されたので、
    「あ、そうなん?」と私はひとりごとみたいに言って、仕方なく缶ビールを鞄にしまった。

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